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「ふわっと92′から20周年記念シンポジウム」イベントリポート

ふわっと92'から20周年記念シンポジウム画像

会場の様子

ふわっと92′から20周年記念シンポジウムで多くの宇宙飛行士が集まった。
話された題材はただ一つ。
日本はこれからどんな有人宇宙開発をするか
この一つに絞ってパネルディスカッションが行われた。

 

はじめから大きな問題提起をしてくれた立花さん、
彼は有人宇宙開発にはずばり反対、とおっしゃった。
日本は有人宇宙開発事故に対する準備ができていないこと、予算に限界があること、
費用対効果はあまり望めないということが、その理由になった。
宇宙技術なしに、社会は成り立たないが、必ずしも有人である必要はない、
と、強く主張された。

 

一方、秋山さんは、
確かに、費用対効果を考えなければならない。だが、費用では得ることのできない、
人類という仲間としての感動や、貢献はある、と強調。
失敗をする、という訓練をしなければ事故を受け止めるキャパシティは生まれない。
どこかアメリカの支配下にある日本。
日本として何か、人類へ、後世へ貢献することはできないか、と主張。

 

それに対して野口さんは、
赤字でも人に必要なものを得なければならない。
その理由は、後世に残されるものの一つとして、借金は免れられない。
借金も残してしまう、けど、今お金を出して大きな経験をして、
それを後世に残すことが次の世代にできる将来への大きな貢献であると指摘した。

 

ここで向井さんが一撃、
有人宇宙開発には、賛成。
人はここまでできるという、お金に変えられないものを得られるのが宇宙。
宇宙からの恩恵は、物質的なものだけではない。
将来へ向けて、今できる範囲でできることをやってみる。
明日への希望があるものへ投資するべき、と主張。

 

ここで反対派の立花さん、
確かに向井さんは有人宇宙開発の事故で心に傷を負っていた。
だけど彼女は強い強い覚悟をしていた。
今の日本の国民は向井さんみたいな覚悟はできない。
そんな中、日本が世界を抜く技術、ロボット技術は本当にすごい。
あとは、宇宙からの安全な帰還方法の解決のみ。
アメリカを追うように、有人宇宙開発をするべきなのかよく考えた方がいい、と主張。

 

そこでじゃあロボットでできないこととは、という質問に若田さんは、
なぜ、人が宇宙へ行くかといえば、科学技術というのは人の技術だから。
ロボットではなく、人間の力によるのもの。
科学技術立国である日本の力は、有人による宇宙技術で実証される。
まさしく、技術力=国力である、と主張。

 

有人である理由として高柳さんは、
宇宙飛行士たちはタイトなスケジュールの中、地上の子供へ夢を与える貢献をしている。
有人であることによって、人はこんなこともできるという証明ができている。
JAXAが与えているものは、有人であるからこそ可能な魅力そのものである。
高い高い目標を目指して進んでいくべきだ、と主張。

 

では、有人宇宙開発は実際のところ可能?という質問に対して野口さんは、
ずばり 可能! と発言。

 

予算がないだけで宇宙開発ができていないだけ?という質問に対して毛利さん、
そもそも立花さんの発言された問題について向き合う必要がある。
国民の1人として、日本人一人一人が覚悟をすることができるか。
失敗してしまったら、という議論は深くするべき。
独自で有人宇宙開発をする時期は、選ばなければならない。
今は反対、でも訓練してキャパシティを獲得できたら賛成。

 

それに対して秋山さんは、
日本独自の宇宙開発をやるならやるで、大きな目標を掲げることが重要。
宇宙開発事故と福島原発事故は一緒じゃない。
宇宙開発はみんな夢を与えるもの。

 

有人であることによる魅力、大きな可能性とは、という質問に対して立花さんは、
人間は最大のセンサーとして感動を伝えることができる。
それはロボットでできることではない。
しかし、今の技術では太陽系外には行けない。
いくら大きな望遠鏡を作ることができてもそこに人(センサー)はいけない。
我々人類にできることはほんのわずかであるという無力感も同時に起きる。
もっと視野の広さを持たなければならない。

 

ここで向井さん、
みんな視野は広く持ってるし、そこまでの有人宇宙は求めていない。
ISS(有人)の売りというのは、重力のない実験室ということ。
重力で隠されてしまっていたいろんなものを故郷(地球)から離れることで実感する。
ロボットで感覚は捉えることができる、でも感性というのは人でないと得られない。
その感性こそが人に訴えかけるものであり、人類の活動を広げることに繋がる。
宇宙からの感動で、戦争さえ無意味と思えるような社会ができたら、軍事費さえ浮く。
宇宙にはそういう可能性がある、と主張。

 

そして毛利さんからの宇宙開発の意味というお話。
宇宙に行って思ったことは、地球以外では生き残れないということ。
だから、宇宙開発は人類の生き残りのためにするもの。
これから宇宙開発をするにあたって、はっきりとした目的を持つことが重要で、
社会を変えるためには宇宙から地球上の人々にどんな大きな影響を与えられるかが重要になってくる。
日本人はこれから、人類の未来に貢献できるような宇宙開発を、
もっと大きなことを言えば、日本社会を変えるにはどうすればよいかと考えるべきだ。
技術に関しては、日本の強みを活かしながら世界に働きかけられるような技術を持ち、
そして、諦めず、技術開発の蓄積を絶やさないことが大切である。と主張された。

 

人類が生存するための、有人宇宙開発。
地上の人々に大きな影響を与える、宇宙での発見。
社会を変えることができる要素として、
私は有人の宇宙開発に、賛成である。

 

 

レポーター

Nnm L Sugaya

宇宙物理学、数学。自由に数式を操れるようになるのが夢、。需要のない論文をよく書く。「孤独がもたらす知恵」 ☞http://sdrv.ms/J8SJF3☜ 服好き、macromauro、ohta… Fuji Featherが愛車、PENTAXk-30
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